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  • 2008.11.03 Monday
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ことりをすきになった山

いろいろな方のブログを訪問すると、日本列島って、本当に縦に長いんだなあと感じます。こちらでまだ雪が降っている時期に、桜が咲いているなどという話を聞くと、なんだか不思議な気持ちになります。テレビでもそういった報道は見るのですが、ブログのいろいろな方の記事の方が臨場感が伝わってきます。

ところで、札幌も最近、エゾムラサキツツジが咲き始めました。うちの庭は日陰になる部分が多いのですが、それでも、クロッカスが咲いています。

長い冬。白一色で何もなかった世界にときはなたれたように一気に花が咲きほこるのが札幌(北国?)の春です。桜も梅もツツジもレンギョウも……もうすぐ、一年で一番花の美しい季節が札幌にもやってきます。
生き物がこの世界にあふれている喜びを感じます。

ところで、そんな喜びを一度も感じたことがなかったのが、
「ことりをすきになった山」です。

荒れ果てた野原にそびえ、冷たさしかしらなかった岩だらけの山。

そこにある日やってきたのは、一羽の小鳥のジョイでした。
その体のやわらかさにひかれた山は、自分のところにずっといてほしいと小鳥に頼みます。
けれども食べ物も水もない山にはいられない小鳥は、山に長くはいられません。
毎年命をひきつぎながら、この山に来るということを約束するだけでした。

それから毎年、春が来るたびにやってくる小鳥。
小鳥は代が代わっても、いつもジョイという名前です。
「なんとかここにいてもらえないかな」
と頼む山。
「無理だわ。でも来年の春も必ず参ります」
と答えるジョイ。

百回目のそうしたやりとりのあと、
百回目の願いをことわられ、空に消えていく小鳥を見送る山。
山は、そのつらさに耐えかねて、心臓が爆発し、涙を一気にふき出したのでした。

そんな山に、翌年も小鳥がやって来ます。
でも、その年は、いつもと違ってひとつぶの種を加えていました。そして……。

作者の人類学者のマクラーレンさんは
   「永い年月がもたらす変化のすごさ、
    ひとつの命にたくされた何かが
    時間をこえてうけつがれていくすばらしさに魅せられて、
    一人類学者としての夢を描いてみました」
と書いています。

永い永い時の流れを舞台にした愛と希望にみちあふれたなんとも美しい話。
読み終わって満足感を持って本を閉じることができる一冊です。

エリック・カールのコラージュとこの内容が奏でるハーモニーのようなものが感じられて、個人的には彼の本のなかでは「はらぺこあおむし」とならんで最も好きな絵本です。

ルビがふってあり難しい言葉は使われていませんが、内容的には小学校中学年ぐらいからが適当だと思います。文章もかなりボリュームがあります。

ことりをすきになった山
エリック・カールの絵本
エリック=カール/絵 アリス=マクレーラン/文 ゆあさふみえ/訳
出版社名 偕成社
出版年月 1987年10月
ISBNコード 4-03-327340-9
頁数・縦サイズ 1冊 30cm


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やどかりのおひっこし

新学期がもうすぐ始まります。終業式や始業式は各地でいろいろですが、明日3月31日までは前の学年、4月1日からは新しい学年ということです。

そんな新しい学年を始めるとき、あるいは、新しい環境へ踏み出すときに是非読みたい絵本です。
年中さんぐらいから読んであげられますが、小学生でもいい反応でした。

   1月のある日、
   「そろそろ おひっこししなくちゃ。」と、やどかりがいいました。

やどかりは体が大きくなったので、それまで入っていた貝殻(家)を這い出して海の底に立ちました。

   ひろい 海のそこは、こわくてたまりませんでした。
  
2月に、ぴったりした貝殻を見つけたやどかりは、思います。

   「ちょっと じみで さびしいな」

次の月から、やどかりは、いろいろな海の中の仲間に出会います。
いそぎんちゃく、ひとで、さんご、まきがい………。
そうして、彼らに自分の家の上や周りに住んだり、助けてくれるよう、お願いしていくのです。
   「きれいなねえ きみたち」
   「すてきだねえ きみたち」
   「みごとだねえ きみたち」
   ………。

そんな言葉をかけながら、次々と友達を作っていくやどかり。

友達のおかげで、どんどん家がきれいに楽しくなっていくのを見るとわくわくします。

10月になったとき、やどかりの家は、たくさんの友達でいっぱいになり、すっかり出来上がりました。

でも、11月になると、やどかりの家は窮屈になります。やどかりは1年の間に大きくなっていたのです。

   「みんな、しんせつにしてくれた。かぞくと おんなじだ。
    このまま、おいていくことなんて できるものか。」

このままではいられないけど、友達はおいていけない……。
でも、やどかりは、友達にも自分にも、いい方法を見つけます。

そうして、1月、家を出たやどかりは、再び広い海の底にいます。
でも、

   やどかりは、もう こわくは ありませんでした。

去年は、こわくてたまらなかった海の底。でも、この1年で、やどかりは、体とともに、心も大きく成長していたのです。

やがて、大きな、でもやっぱり地味な貝殻を見つけたやどかりは、思います。

   「…海には あたらしい ともだちが いっぱい いるぞ!
    …(中略)…また、ともだちさがしを はじめよう!」

新しいことに向かうのは、ちょっぴり不安だけど、大きな期待を持って思い切って踏み出してほしい、たくさんの新しい仲間とともに歩んでほしい、そんな思いをこめて、読みたいと思います。

作者のエリック・カールさんは、あの「はらぺこあおむし」をはじめ、「ちいさいタネ」「パパ、お月さまとって!」「くもさんおへんじどうしたの」など、コラージュのすてきな絵本をたくさん描いています。この絵本も、海の底にいるものたちが美しい色彩でダイナミックに表現されていて、いいなあと思います。

やどかりのおひっこし
エリック・カールの絵本
エリック=カール/さく もりひさし/やく
出版社名 偕成社
出版年月 1990年9月
ISBNコード 978-4-03-327410-2
(4-03-327410-3)
税込価格 1,470円
頁数・縦サイズ 1冊 30cm


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くっくです。この名前、鳥ということでつけたほかはなんの意味もありませんが、気にいってます。カウンターの数字は「スランになりたいな」からのものです。数字が消えてしまうのはちょっと悲しかったので……。「スランの本棚」のカウンターはこれから7700をひいたものです(^^ゞ

キアです。ヴォクトの「スラン」に出てくるなかなか重要な登場人物キア・グレイの名前から拝借しました。ペットの名前に使われたと知ったら怒られそうです。
スランについて
ブログ「スランの本棚」のスランはヴォクトの古典的名作SF「スラン」からとりました。 スランというのは、新人類で、人の心を読むことができたり、知覚力や知力が現(?)人類よりはるかにうわまわっています。迫害され、表舞台からは姿をけしています。主人公のジョン・トマス・クロスはまだ9歳のスランの少年。人類や無触毛スラン(スランには触毛があるんです)に対して憎悪を持ちながらも、成長し能力が成熟していくなかで共存の道を模索していきます。 ね、なかなかいい感じでしょう。 前の「スランになりたいな」を始めるときに、たまたま「スラン」を読み返していたため勢いでつけました。勢いでつけたわりには気にいっています。 でも、この「スラン」絶版になっています。さびしいなあ。 ちなみに、昔アニメにもなった竹宮恵子の「地球へ」の主人公、ジョミーは、この「スラン」の主人公ジョン・トマス・クロス にちなんでいるそうです
                
こんな本もいいな
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