スポンサーサイト

  • 2008.11.03 Monday
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

一定期間更新がないため広告を表示しています


ちいさいおうち

年中さんのころから読みましたが、いっしょに楽しめるようになったのは、うちの娘では小学生になってからでした。

私自身は、大人になってからこの本に知り合い、とても好きな1冊になりました。
なのに、勢い込んで読んだところ、娘は
「きらい」
その後、読んであげると水を向けても、「いや」ということで、しばらく開くこともなくすぎてしまいました。
ところが、その娘が小学生になってしばらくして、「読んでみようかな。」
さっそく読んだところ、いい反応。
そして、
「いい本だね」

……今となっては、どうして娘がきらいになったかわからないのですが、どうも、ちいさいおうちがつらい思いをする部分がいやだったのではないかという気がします。

それだけちいさいおうちの気持ちによりそうことができる本なのかもしれません。

   むかしむかし、ずっと いなかの しずかなところに ちいさいおうちが ありました。

ではじまるお話。

このちいさいおうちを建てた人は言いました。
   「わたしたちの まごの まごの そのまた まごのときまで、
    このいえは、きっとりっぱに たっているだろう」

ちいさいおうちは、丘の上から美しい田舎の景色をながめてくらしていました。
幸せなときです。

ちいさなおうちの周りをときは、ゆっくり静かに通り過ぎていきます。
    きのうと きょうとは、いつでも
    すこしずつ ちがいました……
    ただ ちいさいおうちだけは いつも
    おなじでした。

けれども、やがて、美しい自然に取り囲まれたおうちのまわりは、押し寄せる都会に飲み込まれてしまうことになります。
だれも住む人がいなくなったちいさいおうち。

窓は目、ドアは鼻、そうして、ドアに向かう階段は口といったように、家は顔のように見えるのですが、田舎にいたときのちいさいおうちは、いつもにこにこしていました。
でも、都会の中にすっぽり入ってしまったちいさいおうちは、かなしげに見えます。

このあたり、バージニア・リー・バートンさんの絵は違和感なくそのあたりを表現しています。

    ちいさいおうちに お日さまがみえるのは、おひるのとき だけでした。

そうして、ちいさいおうちは、季節の変化さえ感じられなくなった都会のなかで田舎の夢を見るのです。

美しかったちいさいおうちは、

    ぺんきは はげ、まどは こわれ、よろいどは ななめに さがっていました。

みすぼらしく、だれからもかえりみられることがなくなってしまったのです。

    ……かべや やねは むかしと おなじように ちゃんとしているのに。

ところが、ある日……。

私はこのちいさいおうちに、自分自身や今のこの時代を見てしまい、失われてしまったものに対するなつかしさを感じてしまいます。
我が家の子どもたちも子どもたちなりにそれぞれ違った思いを持ったようです。
きっと読む人それぞれに思いは違うのでしょう。

この本には、もうひとつ、子どもに読んであげたときにすごいと思ったことがありました。

実は息子は読んであげているときに、よくつぶやきます。今もよく反応するのですが、この本をはじめて読んだ小2の頃は、ほんとによく話していました。
この本では、その息子のつぶやきに対する答えが、次に読む文のなかに出ていたり描いてある絵にあったりするのです。

たとえば
   「ちいさいおうちのしたのじめんのなかを、
    ちかてつがいったりきたりするようになりました。」
という文があると、
息子は
「おうちには見えないのにどうしてわかるの?」
とつぶやきました。
ところが、本では、次に
   「ちかてつはみえません。
    でも、じめんがふるえ、おおきなおとがするのでわかりました。」
と続いているのです。
「はたらきもののじょせつしゃけいてい」(→こちら)でも思いましたが、作者のバージニア・リー・バートンさんは、小さい子がどう考えるか、その心にちゃんとよりそって文や絵をかいているのです。

そのときの我が家の息子のように絵を読む段階の子は、すみずみまで絵をみて、それが文に書かれていることと一致することがとても大事なようです。
そうでないと、どんなにすてきな絵でも、興味を失ってしまったことが何度かありました。
そういった意味でも、この本は息子を満足させました。

娘に拒否をされたときはちょっとぐらついたのですが、やっぱりいい本なのだなあと思います。

ちいさいおうち
大型絵本 3
ばーじにあ・りー・ばーとん/ぶん・え いしいももこ/やく
出版社名 岩波書店
出版年月 1979年
ISBNコード 4-00-110553-5
税込価格 1,680円
頁数・縦サイズ 39P 23×26cm


よければぼちっとしてもらえるとうれしいです→にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ

おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん

私たちのこの命が、はるか昔からつながって今にいたっているということを、そして、それが次の世代につながっていくということを、とてもすてきに伝えてくれる絵本です。
年長さんぐらいからですが、小学校のどの学年に読んでも、反応がとてもよかった一冊です。もちろん、大人も楽しめました。

5歳のぼく。
ぼくには、38歳のお父さんと、72歳のおじいちゃんがいます。

「ねえ、おじいちゃん、
 おじいちゃんの
 おとうさんは
 どんなひと?」

おじいちゃんのおとうさん(ひいおじいちゃん)は、戦後の時代を生きているようです。
カストリ(この言葉を知っていて「おお」と思った自分がこわい(^^ゞ )のびんを持っている絵が描かれています。

う〜ん、芸が細かいな。

そのまたおとうさん(ひいひいおじいちゃん)は、どうやら昭和初期の時代の人のような感じです。背景の絵に描かれたチャップリンの黄金狂時代の映画の看板の文字は、右から左へ書かれています。

これも、芸が細かいな。

読み聞かせをしてみると、
子どもたちは、ひいおじいちゃんやひいひいおじいちゃんの着ている服や髪型を見て、ページをめくるごとに、
「お〜」
と、声をあげました。
ちょっと上の学年になると(大人もそうですが)人物の周りの様子にも興味をひかれます。

「ぼく」は先祖の時代に入り込んで、ご先祖様に、その先祖を訊いていきます。

 「こんにちは、
  ひいひいひいおじいちゃん。
  ねえ、
  ひいひいひいおじいちゃんの
  ひいひいひいひいおじいちゃんは
  どんなひと?」

すると、ひいひいひいおじいちゃんがひいひいひいおじいちゃんを教えてくれるのです。

さらに、
ひいひいひいひいひいひいひいひいひいおじいちゃんのひいひいひいひいひいひいひいひい(まだまだ続くのですが省略します)……おじいちゃんは?

ページのなかは、めくるごとに「ひい」の字が増えていき、ついには、「ひい」でいっぱいに……。壮観です。

どんどん昔にさかのぼっていく「ぼく」

ついには……。

こころみに、4世代を100年と考えて、大量に並んだ「ひい」の文字を数え、計算してみると……ちゃあんと、あっているような……気がします……(^^ゞ

最後に、究極のご先祖さまに会ったあと、「ぼく」は、こう思います。

「ぼくは、だれのおじいちゃんになるのかな?」

ちなみに、
中表紙には、大きな木が描かれています。
そして、最後のページには、小さな木の芽が……。
命のつながりをそこで表現しているのでしょうね。

見返しに昔使われた道具が描かれているのも楽しい。前の見返しには、比較的近い年代のものが、後ろの見返しには、はにわやいしざらまで乗っています。

「おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん」……伝えたいことがちゃんとあって、大事に大事に、そして楽しんで作った本なのだと感じます。

おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん
長谷川義史/作
出版社名 BL出版
出版年月 2000年7月
ISBNコード 978-4-89238-770-8 (4-89238-770-3)
税込価格 1,470円
頁数・縦サイズ 1冊 27cm


よければぼちっとしてもらえるとうれしいですにほんブログ村 本ブログへ

きつね森の山男

年長さんから読みましたが、文章に読み応えがあり、おおぜいに読むのなら、小学生低学年からが読みやすいです。

「11ぴきのねこ」の馬場のぼるさんの絵本第一作です。
今から45年くらい前に他の出版社から出され、後に全面的にかきなおされてこぐま社から出されたそうです。
それまで漫画を描かれていたので、
「漫画の要素が…」
と、いうようなことを本人がおっしゃっていたものを読んだことがあります。
作者がそういうんだから、絵本らしくないのかな〜。でも、素人にはよくわかりません。
楽しい本です。

きつね森に住むことになった気がよくて力持ちの山男。
朴訥でなんとなくユーモラスな雰囲気をただよわせています。

その森のきつねたちは、「ふいふいっと」兵隊にばける練習をしたりしてなぜか戦闘態勢にあります。
理由は、遠くに見えるお城に住む殿様から身を守るため。

では、殿様は、どうしてきつねを狩ろうとしているかというと、
それは、きつねの毛皮を手に入れるため。
殿様は、有名な寒がりやさんなのです。
そこで、きつねをいっぴきのこらずつかまえて、ちゃんちゃんこやえりまき、しきもの、ずきん、どちら、はかまなどなどを作り、あたたかい生活を手に入れようと考えたのです。
おとのさまの頭の中の様子をかいた絵を見ると、きつねの毛皮にかこまれて、毛皮を身につけ、にんまりしています。
…よほど、寒いのがきらいなんですね。
いかにも、ひよわなお殿様という感じ。それに対して山男は陽に焼けて冬でも半そででへっちゃらへっちゃらという感じ。

山男は負けそうなきつねに味方し殿様の軍隊をやぶりますが、実は山男には戦いより、ずっと得意で好きなことがありました。
それは、大根づくり。
そしてそれからつくるふろふき大根を食べるのが好きだったのです。

でも、ふろふき大根って、子どもにとってポピュラーな食べ物ではありませんよね。
これってもしかしたら、馬場のぼるさんの好物なのかしら。

ところで、この本には、ふろふき大根のほかに山男がしこんだ「まっかっかのぶどうしゅ」が登場します。これがまた美味しそうなんです。
馬場さんは、ふろふきの他にも、ぶどう酒も好きだったのでしょうか。

ふろふき大根とぶどう酒を飲む部分はこう書かれています。

「あっついふろふきだいこんを、ほっぺたをほろほろやってくっては、まっかっかのぶどうしゅを、きゅうっとのんでいたのでした」

いかにも美味しそうでしょう。
今日の献立は、ふろふき大根だと、この文を読んで思うのは、やっぱり大人だけかもしれませんが(^^ゞ

ところで、このふろふき大根のために、山男はその後困ったはめに陥ります。でも、その山男を救ったのも、ふろふき大根でした。

最後は、きつねたちも、山男も、そしてお殿様も、だれにとっても幸せな結果になります。
お殿様と奥方様ののんびりうれしそうな笑顔が印象的です。

全編、やわらかい色彩の絵。ほんわかした物語にぴったりあっていてほんわかした気持ちになります。
内容も起伏にとんでいて子供たちはいつも楽しんで聞いてくれました。


きつね森の山男
馬場のぼる/著
出版社名 こぐま社
出版年月 1980年
ISBNコード 4-7721-0038-5
税込価格 1,365円
頁数・縦サイズ 1冊 27cm


にほんブログ村 本ブログへ

はたらきもののじょせつしゃけいてぃー

雪のシーズンになったら必ず読む1冊です。うちでは年小さんぐらいから読みました。中学年ぐらいの子が、「これ、好きだよ」と言っていたのをきいたことがあります。もっと上の年齢でも楽しめ、思い出に残る本です。

作者は、あの「ちいさいおうち」(拙稿はこちら)をかいたバージニア・リー・バートン。訳も同じ石井桃子です。石井桃子さんの訳は無駄がなく子どもにすっと入ってくるいい文章だなあとつくづく思います。

舞台はジェオポリスというまち。そこの道路管理部で働いているのが、キャタピラのついている赤いトラクター、けいてぃーです。夏の間はブルドーザーをつけて大活躍、冬になると除雪機にはやがわり。
けれども、大雪にならなければけいてぃーの出番はありません。とても大きくて力が強いからです。

とうとう、ある日雪が降り始めました。30センチ、60センチ、1メートル、1階の窓のところ、2階の窓のところ……。
雪におおわれたまちではだれひとり動くことができません。ただひとり、けいてぃーをのぞいては……。
というわけで、けいてぃーの除雪車としての大活躍が始まります。

雪がふりつもったあとのページは白1色。
まちは、すっぽり、まっしろい雪の毛布のしたにかくれています。

雪の重みで倒れた電柱をなおそうとする電力会社の人たち、火事を消そうとする消防署の人たち、急病人を助けようとするお医者さんなど、雪におおわれたまちでは、仕事に責任と誇りを持ち、がんばっている人たちがたくさんいます。

この人たちが、「たのみます!」と、けいてぃーに除雪をしてほしいとさけびます。
すると、けいてぃーは言うのです。「よろしい。わたしについていらっしゃい」
働く人支えるけいてぃーの誇りに満ちて堂々とした様子がうかがえます。

まっしろなページのなかをけいてぃーは「ちゃっちゃっちゃっ」と、通っていきます。
そして通った道の両側と目的地だけが丹念に描きこまれていきます。白い雪の部分がどんどん消えてまちがあらわれていくのを見ると、わくわくします。

ページをめくるたびに、雪にとじこめられてしずまりかえっていたまちが、けいてぃーの活躍で息をふきかえしていくのが効果的に表現されているのです。

終わりの方のページでは、けいてぃーによって除雪されたジェオポリスのまちの全景がかかれています。読み終わったあと、そのページにかかれている除雪をしている場面を見比べている子どもたちがよく見ます。

ところでけいてぃーの仕事は大きな道路の除雪だけではありませんでした。最後にあちこちの横丁の雪もすっかりかきわけ、大事な仕事を全部すませて、はじめてうちへ帰るのです。誇りを持ち仕事を楽しむけいてぃーらしさが出ています。疲れたけどさぞ満足だったでしょう。

作者のバージニア・リー・バートンもきっと楽しんでかいて満足だったのだろうなと感じます。文句なく楽しめる一冊です。

読み聞かせをする際ですが、細部まで丁寧に絵を描きこんででいるので、ある程度の人数に読むときは、読んだあと手にとって見れるようにしてあげるといいかなと思います。

ところで、雪といえば、今年、札幌では1月まで雪が少なく、雪がこいをし損なった我が家の面々は「先見の明だったね」と、にんまりしていました。本当は、雪が多くなければ困る仕事の人だっているのにね。
でも、現実は甘くありませんでした。重い雪が連日降り、もう庭は雪の下です。
こんなに重い雪は久しぶりなので、雪がとけたあとさぞすごいことになっているでしょう。庭の木々はどこまでがんばってくれているかしら。来年こそはしっかり雪がこいをしなくっちゃと、雪の山を見ながら誓ったぱいぽです。
「けいてぃー」を見習わなくっちゃ。


はたらきもののじょせつしゃけいてぃー
新版
世界傑作絵本シリーズ アメリカの絵本
ばーじにあ・りー・ばーとん/ぶんとえ いしいももこ/やく
出版社名 福音館書店
出版年月 1987年
ISBNコード 4-8340-0509-7
税込価格 1,260円
頁数・縦サイズ 1冊 23×26cm


にほんブログ村 本ブログへ


calendar
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< October 2017 >>
profile
ぽちっとしてもらえると              うれしいです
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ

ブログランキングへ
categories
selected entries
archives
                
links
recent comment
recent trackback
                
ペット
くっくです。この名前、鳥ということでつけたほかはなんの意味もありませんが、気にいってます。カウンターの数字は「スランになりたいな」からのものです。数字が消えてしまうのはちょっと悲しかったので……。「スランの本棚」のカウンターはこれから7700をひいたものです(^^ゞ

キアです。ヴォクトの「スラン」に出てくるなかなか重要な登場人物キア・グレイの名前から拝借しました。ペットの名前に使われたと知ったら怒られそうです。
スランについて
ブログ「スランの本棚」のスランはヴォクトの古典的名作SF「スラン」からとりました。 スランというのは、新人類で、人の心を読むことができたり、知覚力や知力が現(?)人類よりはるかにうわまわっています。迫害され、表舞台からは姿をけしています。主人公のジョン・トマス・クロスはまだ9歳のスランの少年。人類や無触毛スラン(スランには触毛があるんです)に対して憎悪を持ちながらも、成長し能力が成熟していくなかで共存の道を模索していきます。 ね、なかなかいい感じでしょう。 前の「スランになりたいな」を始めるときに、たまたま「スラン」を読み返していたため勢いでつけました。勢いでつけたわりには気にいっています。 でも、この「スラン」絶版になっています。さびしいなあ。 ちなみに、昔アニメにもなった竹宮恵子の「地球へ」の主人公、ジョミーは、この「スラン」の主人公ジョン・トマス・クロス にちなんでいるそうです
                
こんな本もいいな
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM
sponsored links