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  • 2008.11.03 Monday
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ランパンパン

インドの民話です。1年生から読みました。

ただ読んでもおもしろいですが、声を出して読むほうが数段楽しいと感じる本です。

「ランパンパン ランパンパン ランパンパン パンパン」
というリズミカルなことばの繰り返し。
それが、何度も出てきて、声に出して読むと、気持ちも声もはずんでくるのです。

では、「ランパンパン」というのは、何かというと……。

これは、カエルの皮でつくったたいこの音なんです。
カエルの皮のたいこ……ちょっと日本人にはない発想ですね。インドのカエルって、どんなカエルなのかしら……。

だれが、そのたいこをたたいているかというと……。

クロウタドリ。

クロウタドリって、どんな鳥かと、絵本からちょっとはなれて調べてみたのですが、スズメ目ツグミ科の全身黒(くちばしは黄色)の鳥で、ツグミのようなきれいな囀りで有名だそうです。
ツグミの鳴き声は知らなかったので、鳴き声を調べてみると、このサイトで聞けました。
クロウタドリの鳴き声

で、そのクロウタドリというのがなぜ、たいこをたたいているかというと……。

その声のよさに、王様がクロウタドリをつかまえようとし、間違って女房をさらっていってしまったのです。
クロウタドリが身近にいるインドでは、この話は、なるほどって思うのでしょうね。日本なら、ウグイス、ヨーロッパでは、ナイチンゲールのようなものなかな。

いかりくるったクロウタドリは、女房をとりかえすべく戦闘準備。
ここで、カエルの皮のたいこが出てくるわけです。
クルミのからのかぶと、カエルの皮のたて、そして余った皮はたいこに。

カエルの皮のたいこをたたきながら
「ランパンパン、ランパンパン」
と行進していく途中で、仲間を見つけますが、なんと、その仲間を自分の耳の中に入れて休ませてしまいます。

この本を読んだとき、
「え〜、耳の中に〜?」
なんて声も聞こえてきましたが、なんといっても、その仲間がとても耳の中に入るものではないんです。
ネコ1匹・アリづか全部のアリ・木の枝1本・流れていく川。
こんな仲間を中に入れてしまうなんて、ちっぽけなクロウタドリの耳は、ドラエもんのポケットのようです。(と言った子どもたちがいました)

王様にあったクロドリはつかまえられいろいろな方法で殺されそうになりますが、
そのたびに、クロドリの耳から仲間が出てきます。そして……。

この荒唐無稽な話の節目節目に、例のたいこの音「ランパンパン」がからみ、それが、また効果的です。
本を読み終わったあと何日もしてから、このことばを言いながら歩いている子を見かけたことがあります。印象的な響きなんですね。

絵もきれいで文も楽しい。大人も楽しめます。
これまでも何度も読みましたが、反応がとてもよく、ちょっと時間があるときの読み聞かせにはおすすめです。
読んであげると、子どもたちから「ランパンパン ランパンパン ランパンパン パンパン」と、はずむ声が聞こえるかも……。

ラン パン パン インドみんわ
児童図書館・絵本の部屋
マギー・ダフ/さいわ ホセ・アルエゴ/え アリアンヌ・ドウィ/え 山口文生/やく
出版社名 評論社
出版年月 1989年6月
ISBNコード 978-4-566-00281-4
(4-566-00281-0)
税込価格 1,050円
頁数・縦サイズ 1冊 21×26cm


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おじぞうさん

年中さんぐらいから。
ただ方言が強いのでもうちょっと上の方がいいかもしれません。
小学生もどの学年も楽しんで聞いていました。

とびらの絵、じろっぺがふとんのなかをのぞきこんでへんな顔をしています。
大人はここでおよその見当がつきますが、見ている子どもたちはまだ何のことかわかりません。
ばあさんがおじぞうさんに願をかけている絵。
そして、ことばは、
「まごのじろっぺのねしょんべん、なおりますように」
ここで、ようやく、子どもたちにも、じろっぺが寝小便をしたということがわかります。
そこで、ひとしきり、笑いが……。

さて、その願掛けが、うまくいくかというと……。

その願掛けのおそなえのだいふくもちがうまそうで
「おじぞうさん、よだれこ たらかした」
そのよだれをふんずけて犬が転び、それを見たお寺の和尚さんが笑い……。

まるで、風が吹くと桶屋がもうかる式に次々におこる出来事。

それが、
「かあ」
「かぶらこ とんでった」(「かぶらこ」ってことば、いいですね〜)
のように短いことばでテンポよく続いていきます。

ねしょうべんがなおりますようにという願いは、思わぬやりかたでかなえられます。
読んでいるわたしも、子どもたちも、
「えっ」
と、きつねにつままれたようです。
ほんとにきくのかな〜?
でも、「霊験あらたか」で、ねしょうべんはなおってしまうのです。

ちなみに、子どもたちにいちばんインパクトを持ってせまっていくフレーズは、
「しょんべんひっかぶって、じろっぺ べっしょべしょ」
でした。
どの学年も喜んでいましたが、こういうきたないことば、子どもたちは大好きですよね。

そして、なんとも迫力のある絵。

本にあまり親しみのない子たちも、印象的な一冊はというと、名前をあげることの多い絵本です。

こどものとも傑作集 79
田島征三/〔作〕
出版社名 福音館書店
出版年月 1988年9月
ISBNコード 4-8340-0744-8
頁数・縦サイズ 27P 20×27cm

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くっくです。この名前、鳥ということでつけたほかはなんの意味もありませんが、気にいってます。カウンターの数字は「スランになりたいな」からのものです。数字が消えてしまうのはちょっと悲しかったので……。「スランの本棚」のカウンターはこれから7700をひいたものです(^^ゞ

キアです。ヴォクトの「スラン」に出てくるなかなか重要な登場人物キア・グレイの名前から拝借しました。ペットの名前に使われたと知ったら怒られそうです。
スランについて
ブログ「スランの本棚」のスランはヴォクトの古典的名作SF「スラン」からとりました。 スランというのは、新人類で、人の心を読むことができたり、知覚力や知力が現(?)人類よりはるかにうわまわっています。迫害され、表舞台からは姿をけしています。主人公のジョン・トマス・クロスはまだ9歳のスランの少年。人類や無触毛スラン(スランには触毛があるんです)に対して憎悪を持ちながらも、成長し能力が成熟していくなかで共存の道を模索していきます。 ね、なかなかいい感じでしょう。 前の「スランになりたいな」を始めるときに、たまたま「スラン」を読み返していたため勢いでつけました。勢いでつけたわりには気にいっています。 でも、この「スラン」絶版になっています。さびしいなあ。 ちなみに、昔アニメにもなった竹宮恵子の「地球へ」の主人公、ジョミーは、この「スラン」の主人公ジョン・トマス・クロス にちなんでいるそうです
                
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