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はたらきもののじょせつしゃけいてぃー
- 2007.02.17 Saturday
- 作者名 は
- 12:06
- comments(4)
- trackbacks(3)
- by ぱいぽ
雪のシーズンになったら必ず読む1冊です。うちでは年小さんぐらいから読みました。中学年ぐらいの子が、「これ、好きだよ」と言っていたのをきいたことがあります。もっと上の年齢でも楽しめ、思い出に残る本です。
作者は、あの「ちいさいおうち」(拙稿はこちら)をかいたバージニア・リー・バートン。訳も同じ石井桃子です。石井桃子さんの訳は無駄がなく子どもにすっと入ってくるいい文章だなあとつくづく思います。
舞台はジェオポリスというまち。そこの道路管理部で働いているのが、キャタピラのついている赤いトラクター、けいてぃーです。夏の間はブルドーザーをつけて大活躍、冬になると除雪機にはやがわり。
けれども、大雪にならなければけいてぃーの出番はありません。とても大きくて力が強いからです。
とうとう、ある日雪が降り始めました。30センチ、60センチ、1メートル、1階の窓のところ、2階の窓のところ……。
雪におおわれたまちではだれひとり動くことができません。ただひとり、けいてぃーをのぞいては……。
というわけで、けいてぃーの除雪車としての大活躍が始まります。
雪がふりつもったあとのページは白1色。
まちは、すっぽり、まっしろい雪の毛布のしたにかくれています。
雪の重みで倒れた電柱をなおそうとする電力会社の人たち、火事を消そうとする消防署の人たち、急病人を助けようとするお医者さんなど、雪におおわれたまちでは、仕事に責任と誇りを持ち、がんばっている人たちがたくさんいます。
この人たちが、「たのみます!」と、けいてぃーに除雪をしてほしいとさけびます。
すると、けいてぃーは言うのです。「よろしい。わたしについていらっしゃい」
働く人支えるけいてぃーの誇りに満ちて堂々とした様子がうかがえます。
まっしろなページのなかをけいてぃーは「ちゃっちゃっちゃっ」と、通っていきます。
そして通った道の両側と目的地だけが丹念に描きこまれていきます。白い雪の部分がどんどん消えてまちがあらわれていくのを見ると、わくわくします。
ページをめくるたびに、雪にとじこめられてしずまりかえっていたまちが、けいてぃーの活躍で息をふきかえしていくのが効果的に表現されているのです。
終わりの方のページでは、けいてぃーによって除雪されたジェオポリスのまちの全景がかかれています。読み終わったあと、そのページにかかれている除雪をしている場面を見比べている子どもたちがよく見ます。
ところでけいてぃーの仕事は大きな道路の除雪だけではありませんでした。最後にあちこちの横丁の雪もすっかりかきわけ、大事な仕事を全部すませて、はじめてうちへ帰るのです。誇りを持ち仕事を楽しむけいてぃーらしさが出ています。疲れたけどさぞ満足だったでしょう。
作者のバージニア・リー・バートンもきっと楽しんでかいて満足だったのだろうなと感じます。文句なく楽しめる一冊です。
読み聞かせをする際ですが、細部まで丁寧に絵を描きこんででいるので、ある程度の人数に読むときは、読んだあと手にとって見れるようにしてあげるといいかなと思います。
ところで、雪といえば、今年、札幌では1月まで雪が少なく、雪がこいをし損なった我が家の面々は「先見の明だったね」と、にんまりしていました。本当は、雪が多くなければ困る仕事の人だっているのにね。
でも、現実は甘くありませんでした。重い雪が連日降り、もう庭は雪の下です。
こんなに重い雪は久しぶりなので、雪がとけたあとさぞすごいことになっているでしょう。庭の木々はどこまでがんばってくれているかしら。来年こそはしっかり雪がこいをしなくっちゃと、雪の山を見ながら誓ったぱいぽです。
「けいてぃー」を見習わなくっちゃ。
はたらきもののじょせつしゃけいてぃー
新版
世界傑作絵本シリーズ アメリカの絵本
ばーじにあ・りー・ばーとん/ぶんとえ いしいももこ/やく
出版社名 福音館書店
出版年月 1987年
ISBNコード 4-8340-0509-7
税込価格 1,260円
頁数・縦サイズ 1冊 23×26cm
作者は、あの「ちいさいおうち」(拙稿はこちら)をかいたバージニア・リー・バートン。訳も同じ石井桃子です。石井桃子さんの訳は無駄がなく子どもにすっと入ってくるいい文章だなあとつくづく思います。
舞台はジェオポリスというまち。そこの道路管理部で働いているのが、キャタピラのついている赤いトラクター、けいてぃーです。夏の間はブルドーザーをつけて大活躍、冬になると除雪機にはやがわり。
けれども、大雪にならなければけいてぃーの出番はありません。とても大きくて力が強いからです。
とうとう、ある日雪が降り始めました。30センチ、60センチ、1メートル、1階の窓のところ、2階の窓のところ……。
雪におおわれたまちではだれひとり動くことができません。ただひとり、けいてぃーをのぞいては……。
というわけで、けいてぃーの除雪車としての大活躍が始まります。
雪がふりつもったあとのページは白1色。
まちは、すっぽり、まっしろい雪の毛布のしたにかくれています。
雪の重みで倒れた電柱をなおそうとする電力会社の人たち、火事を消そうとする消防署の人たち、急病人を助けようとするお医者さんなど、雪におおわれたまちでは、仕事に責任と誇りを持ち、がんばっている人たちがたくさんいます。
この人たちが、「たのみます!」と、けいてぃーに除雪をしてほしいとさけびます。
すると、けいてぃーは言うのです。「よろしい。わたしについていらっしゃい」
働く人支えるけいてぃーの誇りに満ちて堂々とした様子がうかがえます。
まっしろなページのなかをけいてぃーは「ちゃっちゃっちゃっ」と、通っていきます。
そして通った道の両側と目的地だけが丹念に描きこまれていきます。白い雪の部分がどんどん消えてまちがあらわれていくのを見ると、わくわくします。
ページをめくるたびに、雪にとじこめられてしずまりかえっていたまちが、けいてぃーの活躍で息をふきかえしていくのが効果的に表現されているのです。
終わりの方のページでは、けいてぃーによって除雪されたジェオポリスのまちの全景がかかれています。読み終わったあと、そのページにかかれている除雪をしている場面を見比べている子どもたちがよく見ます。
ところでけいてぃーの仕事は大きな道路の除雪だけではありませんでした。最後にあちこちの横丁の雪もすっかりかきわけ、大事な仕事を全部すませて、はじめてうちへ帰るのです。誇りを持ち仕事を楽しむけいてぃーらしさが出ています。疲れたけどさぞ満足だったでしょう。
作者のバージニア・リー・バートンもきっと楽しんでかいて満足だったのだろうなと感じます。文句なく楽しめる一冊です。
読み聞かせをする際ですが、細部まで丁寧に絵を描きこんででいるので、ある程度の人数に読むときは、読んだあと手にとって見れるようにしてあげるといいかなと思います。
ところで、雪といえば、今年、札幌では1月まで雪が少なく、雪がこいをし損なった我が家の面々は「先見の明だったね」と、にんまりしていました。本当は、雪が多くなければ困る仕事の人だっているのにね。
でも、現実は甘くありませんでした。重い雪が連日降り、もう庭は雪の下です。
こんなに重い雪は久しぶりなので、雪がとけたあとさぞすごいことになっているでしょう。庭の木々はどこまでがんばってくれているかしら。来年こそはしっかり雪がこいをしなくっちゃと、雪の山を見ながら誓ったぱいぽです。
「けいてぃー」を見習わなくっちゃ。
はたらきもののじょせつしゃけいてぃー
新版
世界傑作絵本シリーズ アメリカの絵本
ばーじにあ・りー・ばーとん/ぶんとえ いしいももこ/やく
出版社名 福音館書店
出版年月 1987年
ISBNコード 4-8340-0509-7
税込価格 1,260円
頁数・縦サイズ 1冊 23×26cm
- コメント
- お引っ越しのご連絡ありがとうございました。早速お邪魔しています。
シンプルでなかなか居心地のよいところですね♪
せっかく好きな絵本について生地がありましたので、お邪魔ついでにトラックバックも残していきます。
私は寒がりなのでけいてぃーの元気を分けて欲しいです。ずっと暖冬だったのにここ数日寒くて凹んでいるのです(^^;) -
- えほんうるふ
- 2007/02/18 7:20 PM
- えほんうるふさん こんにちは♪
早速いらしていただいてうれしいです。
TBもありがとうございます。
寒さについては私も同様でできれば蓑虫になりたい気分です。けいてぃーにはあきれられそうですが。 -
- ぱいぽ
- 2007/02/19 4:47 AM
- こんばんは。最近のオコさんたちってネットで調べたりもできるんですよねぇ〜。。
チーズフォンデュはいろいろキットとかうってるので、おうちでもカンタンにできますよねーー^^ -
- mayu
- 2007/02/19 9:24 PM
- mayuさん こんにちは♪
学校にもたくさんパソコンがあるので、調べ学習などでばんばん使っているみたいです。でも、息子のはどうやら本で調べたみたい。
チーズフォンデュ、フォンデュ用のチーズを買ってきておなべでやったんです。チーズが固くなりそうになったら、コンロまで持っていって、かきまぜて…忙しかった〜。キットを使えばよかったんですね(^^ゞ
-
- ぱいぽ
- 2007/02/20 5:14 PM
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- 労働者のプライド
- はたらきもののじょせつしゃけいてぃーばーじにあ・りー・ばーとん いしい ももこ 福音館書店 1978-03by G-Tools 8年ぶりの大雪で都心でも10cm近い積雪があった昨日、我が家のコドモ達は東京ではめったに出番のないスキーウェアを着込み、降りしきる雪の中で楽しそう
-
- オトナノトモ
- 2007/02/18 7:22 PM
- http://kaisha8.com/959F89B98AD98F919358/
- 福音館書店福音館書店(ふくいんかんしょてん)は、東京都文京区に本社を置く児童書を中心とした出版社である。略称「福音館」。.wikilis{font-size:10px;color:#666666;}Quotation:Wikipedia- Article- History License:GFDL
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- 東京企業8
- 2007/12/19 3:50 AM
- バージニア・リー・バートンに関するサイト
- バージニア・リー・バートンに関するサイトを集めています。
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- バージニア・リー・バートン★絵本の世界
- 2008/04/24 9:15 AM
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くっくです。この名前、鳥ということでつけたほかはなんの意味もありませんが、気にいってます。カウンターの数字は「スランになりたいな」からのものです。数字が消えてしまうのはちょっと悲しかったので……。「スランの本棚」のカウンターはこれから7700をひいたものです(^^ゞ
キアです。ヴォクトの「スラン」に出てくるなかなか重要な登場人物キア・グレイの名前から拝借しました。ペットの名前に使われたと知ったら怒られそうです。
- スランについて
- ブログ「スランの本棚」のスランはヴォクトの古典的名作SF「スラン」からとりました。 スランというのは、新人類で、人の心を読むことができたり、知覚力や知力が現(?)人類よりはるかにうわまわっています。迫害され、表舞台からは姿をけしています。主人公のジョン・トマス・クロスはまだ9歳のスランの少年。人類や無触毛スラン(スランには触毛があるんです)に対して憎悪を持ちながらも、成長し能力が成熟していくなかで共存の道を模索していきます。 ね、なかなかいい感じでしょう。 前の「スランになりたいな」を始めるときに、たまたま「スラン」を読み返していたため勢いでつけました。勢いでつけたわりには気にいっています。 でも、この「スラン」絶版になっています。さびしいなあ。 ちなみに、昔アニメにもなった竹宮恵子の「地球へ」の主人公、ジョミーは、この「スラン」の主人公ジョン・トマス・クロス にちなんでいるそうです
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